いま最も勢いがある女性声優の一人で、アホ系を演じさせたら右に出る者はいない小原好美さん。
代表作は『まちカドまぞく』『魔法陣グルグル』『月がきれい』など。特徴的な幼気な声質と役柄が噛み合い、『かぐや様は告らせたい』や『無職転生』では準主役級ながらも圧倒的な存在感を発揮しています。
地声はやや低めですが、演技時に発揮されるどこか抜けた癒やし成分たっぷりの声質が特徴。ただ本人は地声寄りの自然な演技を求めているようで、ASMR出演作ではその意向が反映されているような作品が中心です。
それでは、独断と偏見による、ASMR・ボイスドラマのランキングをご紹介していきます。
1位 パラディゾプロジェクト~ドラゴン娘と癒しの社~
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通常価格 1,760円
販売日 2021年9月4日
サークル AMURE
シナリオ 田上ハル
イラスト ぷきゅのすけ
本作で小原好美さんは、世俗に疎いロリババア属性のドラゴン娘を演じており、役どころの声質は『無職転生』のロキシーが一番近いでしょうか。
『ねこぐらし』や『やおよろ温泉郷』と似た雰囲気がある異世界設定の後発作品ですが、これといった特徴がありません。むしろ、状況やキャラの関係性を説明するためのセリフが長く、早く本題(癒やしパート)に入ってくれと冷めてしまう部分もあります。
オーソドックスな癒し系ASMRである分、先行作品との細かい脚本の差が気になるところ。ただ、小原好美さんの演技とささやき声は抜群です。
耳かきやシャンプー、マッサージと王道のトラックを押さえており、睡眠ASMRとして万人受けしやすい作品として1位に選定しました。
2位 しょにおや!~いっしょにおやすみプロジェクト~ 理桜がキミの身だしなみのお世話をして心も身体も癒やしてあげるね?
通常価格 1,760円
販売日 2021年7月27日
サークル 電撃G's magazine
シナリオ 4Dメガネ
イラスト みれあ
アニメではあまりキャスティングされないタイプの役柄で、クールな等身大のお姉さんの世話焼き美容師を演じています。小原好美さんのファンなら、この演技だけで一聴しておく価値がある一作です。
売上、評価ともに高い一作ですが、個人的に睡眠ASMRとしては、美容室という鉄板の設定のわりにあまり評価できません。
自然な美容室を目指すゆえか、キャラの設定が作り込まれすぎていて、主人公になりきる努力が必要なのが原因でしょう。また、主人公との関係性を説明するセリフが多く、微妙に感情移入しにくいのもマイナス。
電撃(KADOKAWA)が制作しているためか他の作品よりもセリフ量が多いのに、それを活かしきれていない印象です。DLsite上では圧倒的に高評価ですが、個人的には脚本面に違和感を覚えてしまい、世間の評価ほどおすすめできない一作となっています。
3位 圧倒的添い寝CD~天然真面目な先輩ちゃんにいっぱい癒されちゃう~
通常価格 1,320円
販売日 2022年7月2日
サークル じゅじゅっとウェルダン
シナリオ 三船仲達
イラスト Go-1
耳かき特化のシリーズ作品。すでにかなりの本数がリリースされており、声優さんのボイスをメインに据えて耳かきに特化する構成は、良くも悪くも一貫しています。
本作の役どころは堅物系ロリ先輩で、小原好美さんが演じるキャラとしては、『プリコネ』などでも見られる王道パターンのひとつといえるでしょう。「耳かき好き」「小原好美さんの王道ボイスが好き」なら、間違いのない作品です。
筆者は「そもそも耳かきASMRが苦手」「本シリーズの二人称(この作品なら「後輩」)を多用する脚本が気になってしまう」という理由で3位としました。ずっと聞いていると、こんんなに「後輩」と呼びかけてくるのは不自然だろと、安眠指数が落ちてくるのです。
番外編 恋は双子で割り切れない 幼馴染の双子姉妹に両耳同時に癒してもらうASMR
通常価格 2,200円
販売日 2022年7月8日
サークル 電撃文庫
シナリオ 雨野たくみ
イラスト あるみっく
ASMR作品となっていますが、ライトノベルが原作のボイスドラマです。「mimicle(ミミクル)」独占配信で、ライトノベルのファンアイテム的な位置づけなことから未チェックですので、番外編扱いとしています。
『かぐや様は告らせたい』での共演から、ラジオや番宣で常にコンビを組んでいるお二人ですので、非常に良いキャスティングだと思います。
まとめ
現状の小原好美さんのASMR作品について、やや辛口気味でご紹介しました。現状で発表されている作品は、ディレクションと脚本面の問題から小原好美さんのポテンシャルを活かしきれていない……というのが率直な評価です。
相方(?)の古賀葵さんがポテンシャルを存分に発揮して様々なASMR作品に出演されている分、小原好美さんにもアホを活かした役柄でのASMRを求めたいところ。
個人的には、大正解のディレクションを行ってくれる『ねこぐらし』シリーズへの参加を切望しています。